説教要旨 2025/11/16

「奉献式を祝う」

エズラ6:16~22           井上 聡

●奉献とは

奉献とは「ささげる」という意味を持つ宗教的な用語です。礼拝において「献金は神への感謝と献身のしるしとして献げられるもの」です。これが奉納という言葉が言い表している大切な要素であります。そこで感謝と献身から私たちがささげているものについて思い巡らしていきたいと思います。

●神殿奉献礼拝

イスラエル滅亡後、捕囚から帰ってきた人々は、まず神殿の再建に取り組みました。欠かすことの出来ない神殿の再建をした後に「神の宮の奉献式を喜んで祝った」のです。神殿奉献礼拝でイスラエルの人々がささげたものは感謝であり、さらに彼ら自身でありました。

●感謝のあらわれ

奉献式で行われた事は、まず多くのいけにえをささげる事でありました。それは、何と言っても神への感謝の現れでありました。教会に新しいオルガン与えてくださったのは神さまです。それゆえに私たちは、主に感謝を現し、奉献礼拝をささげるのです。私たちはオルガンを神さまのために、そして教会のためにささげます。それは全ての必要を満たし、全てのものを与えてくださる神への感謝のあらわれであります。

●私たちをささげる

奉献礼拝は神への感謝と同時に、献身のしるしとして献げられるものです。感謝をあらわすと同時に私たち自身を主にささげることです。

礼拝はささげものがあれば、それで十分なのではありません。ささげものと同時にささげる人が必要なのです。イスラエルの人々も祭司とレビ人を立てて彼らを聖別しました。そのようにしてイスラエルは、ささげものと同時に自分たちをもささげる思いで、神殿奉献礼拝をささげたのです。

●霊的な礼拝

今回、新しいオルガンを購入するために長い時間をかけて吟味しました。それは私たちにとっての聖別でありました。そして神さまはあなたがた自身をも聖別し、主のためにささげなさいと言われるのです。ささげものを聖別すると同時にささげる人をも聖別していく。これが神の御前における霊的な礼拝です。

神さまは実に多くのものを私たちに与えてくださいます。私たちはまず神さまによりいのちを与えられました。私たちに必要な実に多くのものが神さまから私たち一人一人に与えられています。だからこそ、私たちもまた主を礼拝し、主におささげしていくのです。神への感謝をささげ、私たち自身をも聖い生きた供え物としてささげていくのであります。

●オルガン奉献の祈り

今日、オルガン奉献礼拝にあたり次のような祈りを一緒にささげたいと思います。

「今、私たちは、ここに新しいオルガンをもって、奉献礼拝をささげます。あなたが与えてくださったものを、心から感謝し、御名を賛美いたします。そして私たちもまた信仰と喜びをもって、このオルガンを主におささげします。どうか主よ、このオルガンを聖別し、あなたの栄光をあらわす道具としてお用いください。また私たち自身をも聖別し、聖い生きた供え物としておささげすることができますように。これからも霊的な礼拝をもって、あなたを喜び、ほめたたえる私たちとさせてください。」