[日本同盟基督教団 取手聖書教会]
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第21回チャペルコンサート

2007年 6月 2日更新

日時・場所 2007年 7月 8日(日)午後3時から、取手聖書教会にて
ゲスト 岩渕まことさん・由美子さんご夫妻

会場は満席!ご来場くださった皆様、狭くてご迷惑をかけました

 梅雨の明け切らない7月8日。第21回チャペルコンサート「岩渕まことコンサート」が行われました。

 岩渕まことさんに、チャペルコンサートにおいでいただくのは今回で三回目。先回デュエットが好評だった、奥様由美子さんと「夫婦(めおと)プロジェクト」(岩渕さん自称)。 開演前の入念なリハーサルが終わって開演時間には、すでに約100人の来場者で会場の椅子は埋め尽くされていました。


ソフト&メローの歌声が深く心に響きます

 「ドキドキ・スキップ」というラテンのリズムも軽やかなオリジナルソングでスタート。 伴奏は、岩渕まことさんの生ギターのみ。ギター演奏だけのアルバムを二枚も出しておられる評判のギターテクニックはやはりすばらしい!

 MCでご自身のミュージシャンとしての歩みを語られた岩渕さん。

 高校時代から、仙台の地元では評判のフォークバンドを立ち上げて音楽にのめりこんでいった青年時代。 高校を中退し、19歳で上京。そのスィート&メローな歌声と、抜群のギターテクニックで、25歳のとき、コロンビアレコードから待望のレコードデビュー。 CMソングや、アニメのテーマ曲まで手がける売れっ子になって忙しさに追われる中、次第に心に「自分は何のために音楽をやっているのか?」と言いようのないむなしさが襲い始めたといいます。

 そんな時代の「人知れず涙したの日々を振り返って…」歌ってくださったのが、あの昭和の不朽の名曲「上を向いて歩こう」。 「知っている皆さんもごいっしょに」と促されて、会場はたちまち「涙がこぼれないように〜♪」の大合唱。


(左)ご自身の体験を語られる岩渕さん。軽妙なトークに会場爆笑!爆笑!そして涙・・・!
(右)自称「夫婦(めおと)プロジェクト」のハーモニーは素敵でした

 いつの間にか、音楽にも、将来にも情熱が持てなくなっていた自分。そのころを思って歌ってくださった曲が「驚くばかりさ」。

今日の繰り返しで終わっていくのさ
笑い飛ばしたその声 耳に残るよ
…探し続けたものを見つけ出した それは愛
探し続けたものを見つけ出した それは神の愛…

 そんな暗い思いの中にいた岩渕さんの人生の転機は、小阪忠さん(あの伝説のロックバンド「ハッピーエンド」設立時のメンバー)たちクリスチャンミュージシャンとの出会い。 その人たちの生き方と音楽に触れていくうち「自分も、この人たちと同じ神様を信じたら、人生をやり直せるのかもしれない…」という思いが沸いてきたそうです。 そして、教会に通い始め、イエスキリストを信じていった岩渕さん。

 そうして歩みだしたクリスチャン生活の中で、思いがけない出会いが次々に与えられていきました。 仕事に追われるお父さんたちの応援歌のつもりで作った「横丁のジーザス」。 ユーモアとペーソスに満ちたその曲がきっかけで、星野富弘さん(脊椎損傷で首から上しか動かない体で、口に絵筆をくわえ、絵と詩を綴るアーティスト)と出会い、星野さんの詩に岩渕さんが曲を書き歌うプロジェクトが誕生。 この秋にはCD発売も決まったとのこと。

神様がたった一度だけ
この腕を動かしてくださるとしたら
母の肩をたたかせてもらおう
風に揺れる ぺんぺん草の実を見ていたら
そんな日が本当に来るような気がした

 しっとりと歌われた「ぺんぺん草」が終わったときには、会場のあちこちで目頭をハンカチでぬぐう人たちの姿が…。


(左)開演前の様子から、その1…リハーサル前に相棒のギターのチューニング
(右)開演前の様子から、おの22…リハーサル中、奥様との息もぴったり

 一方、由美子夫人は、教会に行き始めた夫に戸惑いを覚えながらも、生き方が前向きに変えられていくその姿に、自分も教会に行きはじめ、そして同じ日に、夫婦そろって洗礼を受けられました。

 そんな幸せな岩渕家を、突然の嵐が襲います。当時6歳の長女、亜希子ちゃんが脳腫瘍に侵されていたのです。 27時間の手術の後、体も、ことばも不自由になりながらも、「亜希子の一年数か月の闘病生活にはいつもイエスさまがいっしょにいてくださいました」と語った由美子さん。

 病気のつらい治療に耐えるわが子を、ただ見つめるしかなかった岩渕さんの日々。 そんな愛娘と、それを見つめる自分に、人の罪の赦しのため十字架にかかられるキリストと、それを天から見つめておられた父なる神の姿が重なっていきました。そうして生まれた歌が「父の涙」。

心に迫る父の悲しみ
愛するひとり子を十字架につけた
人の罪は燃える火のよう
愛も知らずに今日も過ぎていく
十字架からあふれ流れる泉
それは父の涙
十字架からあふれ流れる泉
それはイエスの愛

 一年数か月の闘病生活の後、亜希子ちゃんは天国に。「以来、私たち夫婦にとって天国はとても身近な存在になりました。」と語ってくださった岩渕さん。

 由美子さんのソロで切々と胸にしみる有名な讃美歌「アメージンググレース」、そして再び岩渕さんのオリジナル、ラテンのリズムでコミカルな「ただありがとう」と曲は進みます。

 ラストナンバーは「誰かが鐘を鳴らしてる」。これは、実は数年前、乳がんを患い、気落ちしていた由美子夫人への、応援歌として作られた曲だったとのこと。

町を歩けばひとりぼっち 天涯孤独の旅人
何がなくても 何があっても 怖いことはない

今日まで生きてきたんだ 明日はもう目の前
誰かが鐘を鳴らしてる 聞こえてるはずさ

ディンドンディン 鐘が鳴る
ディンドンディン 鐘が鳴る
ディンドンディン 鐘が鳴る
鳴り止むまで生きていくんだ

 鳴り止まない拍手の中、アンコール曲は「GOD BLESS YOU」。

God bless You 神のみ恵みが
豊かにあなたの上に注がれますように
あなたの心と体と 全ての営みが守られ支えられ
喜びにあふれるように 私は祈ります
God bless You
God bless You
God bless You


最後の曲が終わっても拍手はなかなか鳴り止みません

「皆さんの上に 神様の祝福が豊かにありますように!」。 そう呼びかけてくださった、岩渕ご夫妻の暖かな祝福の思いに包まれて、皆さん、暖かな気持ちに包まれて、にこやかに家路につかれました。

岩渕まことプロフィール

 ※以下のプロフィールは、2007年7月現在のものです。

(岩渕まことさんの写真)

1977年、日本コロムビアよりシンガーソングライターとしてデビュー。 演奏活動以外に、CMソングやドラえもんの映画「のび太の宇宙開拓史」のテーマ等も歌っている。

1980年、クリスチャンとなる。長女を天に送る経験を通して生まれた曲「父の涙」は多くの方々に愛聴されている。 現在まで十数枚のCDを発表。教会でのコンサートの他に、ペトラストリートとのライブ活動や「歌声ペトラ」という新しい賛美歌を歌う会を開催している。 2004年9月ソロアルバム「ふたつのJ」をリリース。