2007クリスマスメッセージ
2007年12月 8日更新
迷子の郵便配達人
イギリスのとある田舎町にアームストロングという、郵便配達人がいました。彼を町の人は「迷子の郵便配達人」と呼びました。宛名が不完全な手紙の宛先を探し出し、届けてあげる名人だったからです。気さくで優しい奥さんに、やんちゃな5才の息子ロイ、利発な7才の娘メアリーの四人家族は、豊かでなくとも幸せでした。
ある年の冬、息子ロイが風邪から肺炎にかかり、必死の看病のかいもなく、そのまま天国へ行ってしまったのです。その時から陽気だったアームストロングは、二度と笑わなくなってしまいました。
翌年、クリスマスが近づいたある日、アームストロングは郵便局に一人残って、迷子のクリスマスカードの宛先探しをしていました。一通のカードの宛先を目にしたとき、アームストロングは思わず苦笑いしました。「北の国サンタクロースさま」。でも、その幼い文字に見覚えがありました。
開けてみると、そこにはこう綴られていたのです。「サンタクロースさま。お願いがあります。天国の弟に、大好きだった消防車のおもちゃをとどけてください。あれがなくて、弟は寂しがっていると思います。それと、パパを、笑顔のパパにもどして下さい。ママが『あなたには、キリストがくださる本当の希望が必要なのよ』と言っていました。それをパパに持って来てください。私は今年とてもいい子だったつもりです。メアリー」。
読み終わったアームストロングは、一つ深い溜息をつくと、郵便局の床にひざまずいて、静かに祈り始めたのです。「イエスさま。あなたが天からお届け下さる、本当の希望を私にもう一度光を与えてください」。
その夜、帰ってきたパパを迎えに出たメアリーが、大声で台所の母親を呼びました。慌てて出てきた母親の顔に驚きと、やがて喜びの涙が溢れました。そこには、一年前と同じ、にこやかな夫の笑顔があったからです。
(新教出版社刊「現代の奇跡」実話によるエッセイ集より)
心に光を灯すために
「わたしは世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです」(ヨハネ 福音書8:12 ) そう、キリストは言われました。
今年も暗いニュースばかりでした。社会だけではない、私たちの日常生活の中にも、人と心がかよわない戸惑い、将来の漠然とした不安、生きる意味を見出せない焦り...という闇はありませんでしたか?そんな私たちの心に希望の光を灯すため、キリストはこの世に来られたのです。
今年は教会でクリスマス
ケーキに、サンタに、ジングルベルのクリスマスも悪くありませんが、今年は教会で本当のクリスマスをごいっしょしませんか。あなたのおいでを、心よりお待ちしています。
牧師:山田洋一