[日本同盟基督教団 取手聖書教会]
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あなたは愛されています!

2005年 9月21日更新

氷がとけたら?

 ある小学校の理科の時間でのことです。先生が生徒たちにこう質問しました。「氷がとけたら何になりますか?」  理科の時間ですから、先生が期待した答は当然「水になります」。でも、一人の男の子が元気に答えました。

「はい、氷がとけたら春になります!」

 「なんて素敵な答えだ!」と思えたら、それはあなたご自身が人の個性と価値を大切になさる、とても素敵な生き方をしていらっしゃるからでしょう。 そうです。人間は機械ではありません。一人一人がそれぞれに違う、とても豊かな個性を持った尊い存在なのです。

偏差値の一人歩き

 でも、悲しいかな私たちの現実の生活では、あたかも機械の性能判定のごとく、「結果がすべて」という世界が多いようです。仕事の業績、学校の成績…。

 受験一辺倒の、今の日本の教育の諸悪の根元のようにいわれる偏差値。 あの考案者は元々公立中学の理科の先生で、教え子の受験の確実な指導のため、計算尺を片手に独自に編み出した、教師愛の賜物だったそうです。 今から40年近く前のことです。それがいつのまにか一人歩きし、今は、生徒の能力の序列化、選別化をする、非人間的な手段になってしまいました。 目に見える世界でだけ子供を比べて優劣を競い合う感覚に、日本の教育界がすっぽりはまってしまった、そんな感じがします。 でも、それは教育の世界だけのことでしょうか? 私たちの生き方自体が、人との比較の中で、一喜一憂する生き方から脱皮できずにいるのではないでしょうか。 人前を飾る。人の目ばかりを意識して生きる。そんな中で、いつのまにか本来の自分の生き方を、すっかり見失っている不安と焦りは、あなたにはありませんか?

もともと特別なオンリーワン

 聖書は人間を神の最高の作品として一人、一人違った良さ、素晴らしさがある事を教えます。 それは、神様が私たち一人、一人を特別な、この世にたった一人しかいない存在として作って下さったからです。 大学の時のクラスメイトで、特別あつらえ(オーダーメイド)の万年筆を自慢していた男がいました。 「親父の友だちで、万年筆メーカーの社長がいるんだ。大学の入学祝に、特別に作ってくれたんだ。世界中でこれ一本しかないんだぜ。他に同じものなんて絶対ないんだから。」 そういう意味でいったら、私たち人間は一人、一人が神様のオーダーメイド、なのです。 最近の大ヒット曲の歌詞ではありませんが私たちは「もともと特別なオンリーワン」なのです。 私と同じ人間は一人もいない、それほど私は、神様の前で高価で尊いのです。 ただ、問題はそのことに私たちが気づいているか、ということです。

愛されているものの価値

 信仰を持って生きることは、そうした神様の前でのわたしの価値を信じて生きることです。 そのことを喜びとして歩むことです。人と自分を比べて、私たちはすぐに卑屈に落ち込みます。 ちょっと困ったことが続くと、たちまち自信をなくします。でも、神様は私たちを特別な存在として愛していて下さるのです。 わたしがわたしらしく輝き喜んで生きる事の出来る世界、それが神様とともに生きる信仰の世界なのです。

 あなたも、そんな世界を生きてはみませんか?

わたし(神)の目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」 (旧約聖書:イザヤ書43章3節)

牧師:山田洋一