[日本同盟基督教団 取手聖書教会]
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ハートにエールが届くために

2005年 9月21日更新

天使のキッス

 インドに渡ったアメリカ人の宣教師が、現地でボランティアをしているイギリス人の青年に出会いました。知的で親切な好青年で、そのうえブロンドの髪と青い目のハンサムな若者でした。ただ、彼の顔の右側の首筋には、ハッとするほどの大きな赤いアザがあったのです。でも、彼はそのアザを隠そうともせず、卑屈になる様子もなく明るく仕事に励んでいました。「あれだけのアザが気にならないのだろうか?恥じたり、劣等感を感じることはなかったのだろうか?」宣教師は不思議でなりませんでした。

 とうとうある日「失礼だが、君はそのアザで悩んだことはないのかね?」と彼に尋ねたのです。「いいえ。私の両親は、私にいつもこう話してくれていました。『お前が生まれたときに、あんまり可愛いので、天から天使がおりてきてお前の首筋にキッスをしたんだよ。よっぽど神様に愛されていたんだね。そのアザは天使のキッスの痕なんだよ。』ですから、大きくなるまで私は、首筋に何のしるしもない友人たちを、気の毒にさえ思っていたのです。」

 なんと素敵なエールを、息子のハートにに送り続けたご両親だったことでしょう。

励ますつもりが…

 最近心を病む若者が増えています。幼い頃の親子関係が不健全だったため、心に親からのエールがうまくとどかずに育ち、自分に対する自信や、現実に立ち向かう意欲が持てず、いつも不安定な精神状態に苦しんでいる人々です。そうしたご家庭のお話をうかがうと、その親が子どもに対し無関心だった、というより、かえって人一倍教育に熱心だったケースが多いようです。親としては「がんばれ!」のエールを送って励ましてきたつもりが、当のお子さんには、かえって不安や緊張を強いられるものになっていたのです。それは、「がんばれ!」のエールが本当はわが子のためでなく、親の見栄や対面のため、良い結果をわが子に要求する叱咤激励だったからです。そうした親の身勝手な要求が(悲しいかな、当の親はそうは思っていないのですが)、励ましではなく重圧になって、子どもの心を不健康にしてしまうことが、とても多いのです。

エールが心にとどくには

 大脳生理学者の松本元博士は、「人は、自分の存在が喜ばれていると実感したとき(つまり愛されていると思えたとき)、その大脳の働きが活性化する。」という、ユニークな理論で知られています。そして、人の大脳を最も活性化させるメッセージとして、松本博士は聖書をあげます。「天地を作られた偉大な神が、この自分を心から愛していてくれるという聖書のメッセージほど、人の精神を活性化させるものはない。」というのです。聖書は、人のハートにダイレクトにとどく神様からの愛のエールなのです。自分が人に愛のエールを送るには、まず自分が誰かにエールを送ってもらわなくてはなりません。親として、夫として、妻として、愛する者の心を励ますエールを送るためには、まず人間として神のことば聖書から、愛のエールを頂くことが何より大切なのです。あなたもごいっしょに、神様の愛のエールを聖書を通して受け取りませんか。

わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(旧約聖書イザヤ書43:4)

牧師:山田洋一