[日本同盟基督教団 取手聖書教会]
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クリスマスチャペルコンサート2008

2008年 12月20日更新

日時・場所2008年 12月6日(日)午後3時から、取手聖書教会にて
ゲスト佐々木冬彦さん


開場前、入念なリハーサルをしておられた佐々木さん

 去る12月3日(土)。12月にしては穏やかな午後、クリスマスとしては2回目のチャペルコンサートが行われました。

 ゲストはハープ奏者の佐々木冬彦さん。会場に入った方がまず驚かれたのがグランドハープ(コンサート用の大型ハープ)の大きさ!実際に目にする機会のあまりない楽器ですから、みなさん興味深そうに見ていらっしゃいました。


グランドハープはその存在自体に圧倒されます

 大きな拍手に迎えられて登場した佐々木冬彦さんが演奏してくださった一曲目は、ご自身のアレンジによる「クリスマス・キャロル・メドレー」。 もともと作曲科のご卒業だけあって、おなじみのクリスマスソングのチャーミングなアレンジの演奏に、会場はすっかりクリスマスムード。


会堂に響き渡るハープの調べは素敵でした

 その後の数曲は、ご自身が作曲されたオリジナル。どれも幻想的で素敵な曲ばかりでした。 特に「箜篌(くご)のための“恋歌”」は、復元された古代アジアの大型ハープ「箜篌」(原物は奈良正倉院収蔵)のために、 佐々木さんが依頼を受けて作曲した文字通り箜篌のため作品。千数百年の時を越えた音楽のロマンに会場酔いしれました。


佐々木さんのMCには、実直な人柄が現われていました

 楽器の説明、曲の解説ともに、ご自身の近況報告もMCで話してくださいました。

 7年前の夏のコンサートにもおいでくださった佐々木さんの身辺での一番の変化は、一昨年に、教会で知り合われたクリスチャンのヴァイオリニストの女性とご結婚されたこと。 そして、その結婚を機に、一度に三人の子供のお父様になられたこと。 前半の最後の曲はプログラムになかった「となりトトロから“さんぽ”」。「うちの子も大好きな曲なんです」とのコメントから、お幸せそうな家庭生活の様子がうかがえました。

 演奏後、教会のご婦人が「7年前に比べて、佐々木さんの音楽が深く豊かになった気がしたのは、そんな事情があったのですね」とおっしゃっていましたが、本当に同感でした。


楽器の説明も丁寧に。皆さん興味津々!

 休憩の後は、「いつくしみ深き」、「アメイジング・グレイス」と言った有名讃美歌のアレンジ曲。どれも、佐々木さんの神様への素直な信仰が現れた素敵な演奏でした。

 そしてサルツェード作曲の「夜の歌」は、いわば現代ハープのあらゆる演奏技法を駆使したハープ超絶技巧曲。 複雑な強調が続き、途中ハープ本体を叩くパーカッション奏法も登場し、幻想的な世界が広がっていきました。

 アンコールはなんと、不遇の最期を遂げた天才ロッカー、尾崎豊の名曲「I Love You」。 切ないほどの美しいメロディーは、ハープの音の世界とぴったり。皆さん、うっとりと聞き入っていました。


花束を渡してくれた女の子への眼差しが優しかったのも、パパになられたせい?

 割れんばかりの拍手が会堂に響いたとき、すでに初冬の空は真っ暗。でも、佐々木さんのハープからつむぎだされた音楽に心満たされて、皆さん帰途におつきになりました。

 佐々木冬彦さん、本当にありがとうございました!

佐々木冬彦さんのプロフィール

 ※以下のプロフィールは、2008年12月現在のものです。

 1987年東京芸術大学音楽学部卒業、1990年同大学院修士課程修了。在学中、作曲を松村禎三、黛敏郎他の各氏に、ハープを篠崎史子氏に師事。

 現在は作曲家として、またハープ奏者としてソロ、アンサンブル、オーケストラなどで幅広く活躍中。 また復元された古代アジアの大型ハープ「箜篌」(くご)(原物は奈良正倉院収蔵)の演奏家の第一人者としても国内や海外での公演、音楽祭、録音等に数多く出演している。

 1992年アメリカ「アスペン音楽祭」、1998年香港「アジア音楽祭」及び「循環するシルクロード」中国公演、 2002年スイス「第8回世界ハープ・コングレス」「ジュネーヴの夏音楽祭」、2003年フランス「東西の出会い」(パリ日本文化会館)、 2004年アメリカ「ミュージック・フロム・ジャパン30周年記念公演」(ニューヨーク・カーネギーホール、ワシントンDC・ケネディセンター他)等に出演。 1990〜93年、白根桃源郷ハープ・フェスティバル音楽監督。 1995年福井ハープ音楽賞第2回国際作曲コンクール優秀作曲賞受賞。 1992年から99年まで文化学院芸術専門学校講師。 大規模施設やイヴェントの作曲も手がけ、2003年開館した門司港・海峡ドラマ・シップの「海峡アトリウム」、2004年浜名湖花博の主催者庭園「ほほえみの庭」の作曲を担当。

 主なCDは、ハープ・ソロ・アルバムに「主よ、人の望みの喜びよ」(1996年)、「祈り・音楽・海」(1999年)。 この2つのアルバムは現在までに1万枚以上のセールスを記録している。 「甦る古代の響き〜箜篌」(1999年)はレコード芸術誌特選CDに選ばれた。

 日本キリスト改革派・松戸小金原教会長老。

佐々木冬彦さんのホームページはこちら ( http://www5d.biglobe.ne.jp/~fuyuhiko/ )